江戸時代の名古屋城

名古屋城下の構造

徳川家康は、名古屋城下の建設にあたり、京にならって中心部を碁盤の目に区画し町人の住居としました。 そのまわりを囲むように武家屋敷を置き、西、東、南に寺町の建設を進めました。寺院は当時、武器庫としての機能も備えていました。町人は、武家に監視される形で暮らすこととなり、茶道や花道など内向きの 文化が育ちました。町人は東照宮祭などの祭りのときにエネルギーを発散させました。

名古屋城郭

名古屋を南北に縦貫する本町通の北端の現在の外堀通の南側に、評定所、町方役所、藩校の明倫堂などが並んでいました。本町御門を通り名古屋城内に入ると成瀬、竹腰など重臣の屋敷が三之丸に置かれていました。尾張藩附家老、成瀬、竹腰の屋敷を過ぎると正面に東照宮と三之丸天王社が隣接してあり、その西側に霊廟が並んでいました。
二之丸には、藩主の住居であり藩の政務を行う広大な二之丸御殿があり、北側と東側には二之丸が広がっていました。また、天守閣の南には、将軍お成り専用の本丸御殿がありました。

東照宮

尾張藩初代藩主徳川義直が元和5年(1619)、父徳川家康遺徳をしのび名古屋城内三の丸、亀尾天王社 （現在の那古野神社）の隣地に東照宮を建立、地名から三之丸東照宮とも呼ばれました。明治9年(1876)、名古屋鎮台建設のため旧藩校明倫堂跡地の現在地に移転しました。

亀尾天王社(那古野神社)

創建は延喜11年(911)といわれ、創建時より若宮八幡社と隣接していました。名古屋城築城の際には 移転の予定でありましたが、ご神託によりとどまり若宮神社のみ現在地に移転しました。明治9年(1876)旧藩校明倫堂跡地に移転、那古野神社と改称しました。

東照宮祭礼

東照宮祭礼は旧暦の4月15・16日に行われ、16日には山車や三基の神輿(みこし）が加わった総勢4000人を超える行列が名古屋城を出て本町通を下り末広町の御旅所へ向かいました。名古屋三大祭りのなかでも 最大の規模を誇っていました。戦前まで「名古屋祭」と言えばこの東照宮祭を指していしたが、戦災で山車を焼失、現在では東区筒井町「湯取車」１台のみが残っています。現在の名古屋まつりの山車曳きは、この名残と言われています。

天王社祭礼

亀王天王社(現在の那古野神社)例祭である天王祭は東照宮祭、若宮祭とならんで名古屋三大祭と称されました。毎年6月15・16日に若宮祭と同時に行われ二つの祭礼を総称して祇園祭と呼ばれていました。

外部リンク-ナゴヤ堀川歴史観光クルーズ(2010年)[Network2010]

外部リンク-「スマホで見よう！名古屋城」

掲載映像の解説

①地図で見よう!江戸時代名古屋城 (41sec)

江戸時代後期の名古屋城下図の名古屋城周辺をＣＧで紹介しています

②名古屋城が出来るまで(3min16sec)

関ケ原の戦いに勝利した徳川家康は、来るべき大坂方との決戦に備えて尾張藩の首都を、低地で水攻めに 弱い清洲から名古屋へ移転しました。「清洲越し」と呼ばれる町ぐるみの大移動でした。名古屋城築城 までの足跡を紹介します。

③名古屋城本丸御殿の歴史(3min25sec)

名古屋城築城とともに建築された、名古屋城本丸御殿の昭和20年焼失までの歴史を紹介しています。